東大阪市で行ったモニエル瓦屋根点検!塗装?それとも葺き替え?
東大阪市にて屋根点検のご依頼を頂きました。今回のお客様宅はモニエル瓦という種類の瓦屋根のお宅です。
聞き慣れない方も多いかと思いますが、セメント瓦の一種で瓦表面の処理が特殊な為通常のセメント瓦とは少し違います。主な主成分はセメントなのですが、セメントスラリーというセメントの着色材が多めに塗られておりその上にアクリル樹脂系の塗料を塗って処理されています。
この処理を行う事で瓦表面にはスラリー層という層が作られ、スラリー層により防水効果が保たれています。瓦単体では防水効果はありません。
写真が調査させて頂くモニエル瓦です。セメントと川砂を混ぜ合わせて作られています。正式には「乾式コンクリート瓦」と言います。
施工性やデザイン性が良く防音性や断熱性、耐火性に優れている事から1980年~1990年に幅広く普及しました。
では早速細かく点検していきましょう。
見た目はセメント瓦とよく似ていますが、モニエル瓦との見分けは瓦の小口(厚み部分)で分かります。写真の様に小口の表面がザラザラで凸凹しているのがモニエル瓦の特徴です。瓦の形状だけではなかなか判断が付きにくい場合もあります。
屋根の棟部分から見ていきます。棟部分の瓦がズレている箇所がありました。写真からも分かるように瓦の間に隙間が出来てしまっています。
先程記述したモニエル瓦の特徴である表面のスラリー層と呼ばれる着色ですが、劣化してくると塗料が粉末化してしまう現象が起こります。
これを「チョーキング現象」と言います。
スラリー層の劣化により瓦のコンクリート部分がむき出しの状態になると、瓦自体に防水効果はない為雨水などを吸い込みやすい状態になってしまいます。
コケやカビの発生も見られます。塗装の劣化で防水効果が薄れてくると瓦が水分を含んでジメジメした状態になります。
やがてはカビやコケが発生し根付いてしまうのです。カビやコケは瓦の内部に根っこを張ってしまう為モニエル瓦の主成分であるセメント自体を脆くしてしまいます。
脆くなったセメントは割れやすく耐久性も低くなってしまいます。
写真の様な割れも至る所で起こっていました。
厚みがあり丈夫なモニエル瓦でも劣化によりひび割れ等が起こりやすくなります。
セメントが水分を吸収すると膨張し、乾くと収縮します。これを繰り返しているうちに瓦に負担がかかりひび割れ等が起こってしまいます。
塗装の防水性が切れてしばらく経っている事が分かります。
この様なカビの発生や瓦の割れ等が多く起こっていました。カビやコケの発生場所や劣化の度合いは日当たり等によっても差が出てきます。劣化の症状が多い箇所と少ない箇所があるのはその為です。
モニエル瓦の寿命を最大限延ばすためには10年程度で塗装をするのが理想的です。立地条件や環境にもよりますが一般的に塗料の防水効果の寿命は10年~15年程だと言われています。
劣化が進んで塗装によるメンテナンスでは不十分という状態になっても、傷んだ瓦や割れた所だけを補修すると言う事は出来ません。屋根材として多用されてきたモニエル瓦ですが、現在は廃盤となっており、製造や販売はされておりません。その為同じ瓦が手に入らないと言う事になります。
今回のお宅では、塗装による防水効果が切れてしまい瓦の劣化・割れ等が多く、塗装によるメンテナンスでは不十分な状態でした。今後の耐震対策の為にも軽量な屋根材に変更したいとのご要望もあり、屋根全体を新しくする屋根葺き替え工事をご提案させて頂きました。
屋根の不具合でお悩みやご質問などありましたら街の屋根やさん大阪松原店までお気軽にご相談下さいね(*^-^*)
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