屋根板金ってどの部分?屋根板金の種類と特徴・役割について
屋根工事をされる際、板金工事という項目が含まれている事が多いと思います。屋根には下地があって、防水シートがあって、瓦やスレートなどの屋根材が施工される。このような屋根構造は安易に想像がつく方も多くいらっしゃると思います。
では屋根工事の工程に「屋根板金工事」という項目が含まれていた時、皆さんはどの部分のどんな工事なのかご存じでしょうか?「板金工事」といっても施工される場所、種類、役割などは様々です。
今回はこの屋根板金の部分に着目してご紹介させて頂きたいと思います。
まず、一番分かりやすい所から見ていきましょう。この部分はスレート屋根の一番てっぺんに当たる部分です。
「棟」と言われていますが、ここに施工される板金が「棟板金」です。
スレート屋根や近年人気の高い屋根材ガルバリウム鋼板などの棟にはこの棟板金が必ず施工されています。
屋根材と屋根材が合わさる接合部分では、どうしても隙間が空いてしまう為、板金を取り付ける事で雨水の侵入を防ぐ事が出来ます。
また、屋根材をしっかり固定するという役割も同時に担ってくれています。
屋根板金に使用される素材はガルバリウム鋼板が主に使用されています。
板金加工が行われる屋根材は、スレート屋根やガルテクトだけではありません。瓦屋根の場合でも板金工事が必要な箇所もあります。
瓦屋根では、形状にもよりますが「谷」と呼ばれる溝がある場合があります。谷とは二つの屋根の勾配が同じ方向を向いている時、その先端が合わさる部分に出来る溝です。
言葉で説明すると少し難しくなりますが、簡単に言うと屋根に落ちた雨水が集まって地上に流れる通り道となる部分です。
水がまとまって伝う溝ですので、この部分には板金が取り付けられ建物の内部に水が侵入しない様に施工されています。
写真の様に、瓦屋根の一部が壁に接している様な場合にも板金が取り付けられています。
これももちろん役割は雨水が壁の隙間を伝って建物に入り込むのを防ぐ為です。こちらのお宅は壁際の水切りと同時に、先程ご紹介した谷板金の役割も行ってくれる様な構造になっていました。
この様に使用される場所、目的によって様々な板金工事を行っているのです。
谷板金が取り付けられている谷部は、主に雨水が通る部分だと言う事はお分かり頂けたと思います。そして板金部分は金属ですので当然年月と共に劣化してしまいます。
板金の塗装が剝がれ、防水効果がなくなり、やがて錆びが発生してきます。
錆びた箇所をそのまま放置しておくと写真の様に穴が開いてしまいます。この谷部は”雨水を正しく地上に運ぶ通り道”でしたね?
こうなると雨水を正しく排出出来ない為、建物内部に雨水が侵入してしまい雨漏りを引き起こし大切なお家の老築化を早めてしまいます。
屋根材の種類に関わらず屋根板金のメンテナンスも欠かす事が出来ない項目なのです。
屋根では無いですが、この様な箇所にも板金が取り付けられています
。ベランダやバルコニー、屋上などの立ち上がり部です。立ち上がり部分をパラペット、最上部仕上げ材を笠木といいます。
笠木は雨水や紫外線にさらされる立ち上がり最上部をカバーし腐食を防ぐ為のものです。
金属製で仕上げる事が多く、耐久性の高いガルバリウム鋼板などで仕上げられることが増えています。この金属で仕上げた笠木を、笠木板金と言います。
笠木板金も一般的に良く含まれる工法です。
工事業種としては、板金工事業となり一般的には金属板を加工する業者によって施工されます。
印をつけた箇所は屋根のケラバと呼ばれている場所です。聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、ケラバは部材の名前ではなく場所を示す名称です。この部分を保護している部材を破風板と言います。
外壁から出っ張っている屋根の中で、雨樋が付いていない側です。ケラバは通常屋根材や破風板でカバーされています。
ケラバは日当たりが非常に良い部分で、紫外線の影響を大きく受けます。そこで写真の様な金属でケラバ部分をカバーすることがあります。ケラバ板金です。さらにケラバは屋根の先端に当たる為、しっかりカバーしておく必要があります。ここをカバーする事で雨水の侵入も防ぐという役割も果たしています。
屋根板金と一言でいっても、使用される場所や用途によって形状も施工方法も様々ですが、
隙間からの雨水の侵入を防いだり雨水をスムーズに排出する役割という所はどの屋根板金でも共通していると言えます。つまり、もともと屋根の弱い部分に板金を取り付ける事でカバーしているのです。
その為、屋根板金部分は想像以上に劣化しやすく、正しくメンテナンスを行う事をお勧めさせて頂く部分です。
屋根板金は劣化しやすいと記述しましたが、屋根板金は、そもそも屋根の弱い部分に取り付けられて保護しているという事を覚えておいてください。屋根板金が無ければ、雨漏りのリスクがとても高くなるのです。
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